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経ケ岬の米軍レーダー基地の現状と今後についてー京都平和委員会(1/19更新)

 丹後・経ケ岬の米軍レーダー基地は2014年12月26日午後9時に「運用開始」されたことが発表されました。その日、京都府への申し入れの際には「報道解禁時間前」ということで、情報はあきらかにされませんでした。これはレーダー本体搬入強行のときもそうでしたが、住民の「安全・安心」より日米同盟を上に置く安倍政権の国民軽視の姿勢と軌を一にするものです。
 10月21日に本体が搬入され、11月1日には飛行制限区域が設定され、12月末に「運用開始」と時間がかかっているようですが、もともとが移動式レーダーの部隊ですから、燃料をはじめ主要機材がそろえば、短時間で使えるようにできるものなのです。このことは、すぐに「ミサイル発射」がおこなわれるとか、この基地がないとミサイル攻撃を迎撃できないとかいう差し迫った状況ではないことを示しています。しかし、レーダー本体と付属の装置がそろって、試運転中から電波を照射していることを示す赤い警告の標示がかかげられています。レーダーを動かすための発電機や冷却装置が出す「音」だけでなく「低周波」は四六時中、住民を苦しめています。排気ガスや基地警備の照明もあたりの環境に影響するでしょう。 警備につくシェネガ社の軍属はM16A2というアメリカ陸軍制式の自動小銃をたずさえて基地内に立っています(下記画像)。部隊編成も基地施設も青森の車力とは違い、数段強化された基地となっていますが、そんな警戒をしなければならないほど重要な基地だということです。軍人・軍属たちはバスでの通勤以外にレンタカーを使っているわけで、年末の集会のころまでに6件の交通事故を起こしています。この状態を放置すれば、そのうち大きな事故を起こすであろうことは「ハインリッヒの法則」が示しています。これまで、貴重な自然環境を破壊し、住民の安全・安心の確保を置き去りにしたままの彼らに対して、私たちがなにも言わなければ十年先も百年先も米軍基地の街にされてしまします。レーダー基地の「運用」つまりアメリカ軍の太平洋軍司令部や北米防空司令所とつながって、宇宙・地球規模の「ミサイル防衛」での実戦使用がはじまったということです。そういうかかわりでは、そう遠くないうちに、どこかの国がミサイルを撃ち上げることもあるでしょう。その際にこの基地のレーダーが日本の防衛に役に立つのかどうかはわかりませんが、米軍レーダー基地があってよかったということでなく、ミサイルの撃ち上げをさせない外交努力こそが必要だということを多くの人々に知らせなければなりません。

 経ケ岬の基地は今年、自衛隊側の拡張工事にも入る見込みです。海上自衛隊舞鶴基地にはイージス艦などが発射する迎撃ミサイルを整備する施設が出来ており、米軍基地警護には陸上自衛隊福知山駐屯地の部隊が出動することになります。京都北部がミサイル防衛の最前線基地、さらに集団的自衛権行使の拠点になるようなことをやめさせなければなりません。早い時期に安倍政権にストップをかけ、政治の流れを転換しましょう。 自然環境など米軍レーダー基地建設で失ったものは大きいですが、人々は心まで失ってはいません。特定秘密保護法の発動を許さず、不屈に、あきらめず、知恵と力をあわせていきましょう。

 ※基地設置に関するこれまでの経過は「人権と部落問題」(部落問題研究所発行12月号基地特集 600円)でふれています。

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 基地の「運用開始」直前の光景。米軍レーダー(AN/TPY-2)が見える<左画像>海上自衛隊舞鶴基地の白浜地区にできた「誘導弾整備所(誘導弾構成品倉庫)」ここで迎撃ミサイルのSM3などを保管する。 <中央画像>

レーダー基地の警備につくシェネガ社の軍属。M16A2という自動小銃を所持している<右画像>

 

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