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戦争法案の強行採決に対する岡田英樹会長の声明(9/18更新)

二つの「九・一八」---国会最終局面を迎えて      京都平和委員会会長 岡田英樹

 一九三一年九月一八日、満州に派遣されていた日本軍(関東軍)は、奉天(現瀋陽)郊外の柳条湖で鉄道をみずから爆破し、それを口実に満州全土に軍隊を出動させると言う謀略行為を行いました。日本では「満州事変」と呼ばれ、一五年戦争の幕開けを告げる事件でした。

 それから八四年たった本日、安倍政権の下で一二本もの法律を束ねた安全保障関連法案(戦争法案)が強行採決されようとしています。この法案は五月一五日に国会に上程され、戦後最長となる九五日間の会期延長を含んで、四カ月以上にわたって法案審議が続けられてきました。この審議を通して、「日本国民の平和と安全を守るため」、「戦争抑止力を高める」とする政府案の根拠は次々と崩され、この法案は明確に憲法に違反し、米軍の下に地球的規模で日本の自衛隊が参戦できる法体制づくりであることが明確となってきました。

 それゆえにこそ、「シールズ」を代表とする学生グループ、子育て世代の母親が呼びかけた「安保関連法案に反対するママの会」、弁護士会、学者・研究者、各地の大学、文芸・芸能関係者などが行動を呼びかけ、多くの人々がそれに呼応しています。デモに参加された方は実感されたはずです。かつての大きな組合旗や団体旗のもとに整然と行進するデモ隊ではなく、見知らぬ人と一緒にスローガンを叫ぶ隊列であったことを。個人の自発的な意志に基づく行動であり意志表明が示された四カ月であったと言えるでしょう。日本の民主主義的底力は間違いなく強固なものとなっています。

 重要なことは、この法案だけで戦争できるわけではないと言うことです。しかも安倍政権は憲法まで手を出せませんでした。この悪法に憲法を対峙させて、戦争法案の具体化を許さない闘いがこれから始まります。翁長知事の辺野古埋め立て承認取り消しの英断を武器に新基地建設反対の闘い、新ガイドラインに基づくミサイル防衛の一環を担う経ケ岬米軍レーダー基地をなくす闘いなど、戦争させない国づくりの課題を正面に据えて運動していく必要があります。その意味で今年の日本平和大会は、この間の安保闘争を全国的に交流・総括し、今後の運動を展望する貴重な大会になると思います。皆さんの積極的な参加を呼びかけます。

 二〇一五年の「九・一八」が、平和運動の新たな出発点となることを信じて。(9.18早朝)

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